2014年12月13日土曜日

スポーツ選手は皮膚がたいせつ

大学の授業で、私は「スポーツ選手にとって皮膚がたいせつ」であることを学生たちに伝えるようにしています。わずかな時間しか割けませんが、皮膚の役割を紹介し、皮膚を慈しむことを学生たちに説いているのです。

体全体を覆っている皮膚がさまざまな役割を果たすことで、全身の状態は良好となります。体が良好な状態にあるからこそ、持ち合わせている体力を十分に発揮し高いパフォーマンスを発揮できるのです。

ピーター・J・ベントリー著、三枝小夜子訳『家庭の科学』(新潮文庫)で述べられている皮膚の役割をまとめると次のようになります。
皮膚にあるエクリン腺は、水分を汗として排泄することで体温を調整している。
皮膚には各種の感覚細胞があり、温度、圧力、接触、痛みを感じることができる。
皮膚にはメラノサイトという細胞があり、メラニンという色素をつくって、日光に含まれる過剰な紫外線を吸収して皮膚を保護する働きがある。
皮膚の細胞には特殊な酵素が含まれていて、紫外線がDNAにつけた傷を修復し、細胞のガン化を防いでいる。
皮膚には血管がよく発達しており、各種の細胞に栄養を供給するだけでなく、体温の調整も行っている。

このように、皮膚は外界から内臓を保護する働きをしています。すなわち、皮膚は外界からの攻撃をはね返す弾力のある理想的な防御壁としての役割を担っているのです。

皮膚が体で一番大きな臓器であり、体の一番外側にあるのは、体内の働きが滞りなく進むことを助けるためだと考えられます。皮膚がなければ、私たちは健康な体を維持できず、スポーツをすることはできません。


スポーツに直結する筋肉や心臓や血管などの主役に目が行きがちですが、私は皮膚のような脇役を大切にしてあげたいと思っています。

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