2014年5月22日木曜日

トレーニングの特異性

トレーニングは、鍛えた部分に効果が現れる。たとえば、筋トレで脚筋を鍛えれば脚筋は強化される。しかし、トレーニングしていない腕の筋肉は強化されない。逆に、腕の筋肉をトレーニングすれば、腕の筋肉は強化されるが脚筋は強化されない。

このように、鍛えた部分だけにトレーニング効果が現れることをトレーニングの「特異性」という。

私たちの体は、1つの部分を鍛えれば、その効果が別の部分にも波及する、といった都合よくはできていないのである。スポーツ競技で利用される筋肉のそれぞれを鍛えなければならない。スポーツ選手のトレーニングが長時間を要するのは、このためである。

ただし、「トレーニング効果の転移」という現象が体内に起きることが知られている。たとえば右側の脚筋だけを鍛えると、その効果は反対側の脚筋にも現れることがある。このように、一部のトレーニング効果が別の部分にも出現することを「トレーニング効果の転移」という。

しかし、トレーニングしない側に現れる効果は、トレーニングした側に比べて小さい。骨折などで一方の腕なり足なりをトレーニングできない場合、健常側の腕や足をトレーニングすれば、けがをした側の筋力低下をある程度予防できることは期待できる。トレーニング下側と同等の効果は期待できそうもない。

全身の筋肉を強化するためには、結局、それぞれの筋肉をトレーニングしなければならない、ということのようだ。


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