2013年6月6日木曜日

サプリメント

お手軽なものが好まれる。健康についてもその通りで、時間と努力を必要とする運動よりも、手軽なサプリメント(健康補助食品)で健康になろうとする人が多い。

サプリメントには、おもに3つの効果があると考えられている。1つは、栄養の補給、疲労の早期回復といった健康面での効果である。2つ目は、筋力の向上や筋量の増加という体力面での効果である。そして3つ目は、基礎代謝や脂肪代謝の促進というエネルギー面での効果である。

スポーツ関係者の間で、最近、話題になっているアミノ酸を含むサプリメントは、主に疲労の早期回復という目的で利用されることが多い。

アミノ酸は筋肉をつくっている成分である。筋肉をつくっている必須アミノ酸は20種類ほどあるが、そのうち最も多いのが分岐鎖アミノ酸(BCAA)である。このBCAAが疲労回復を早める働きをしている。

BCAAが疲労回復に及ぼす効果については、いくつかの研究で報告されている。たとえば、杉田正明氏(三重大学教授)は、BCAAを中心としたアミノ酸をとると疲労回復が早まることを報告している。さらに、アミノ酸摂取により強い練習後であっても3~5日後には同じ強度の練習ができる可能性がある、とも述べている。

アミノ酸を含むサプリメントは疲労回復に効果があるといわれるが、サプリメントはあくまで「補助食品」であることを忘れていけない。日々の食事から摂る栄養素の不足分を補うのが、サプリメントの本来の姿である。


サプリメントの利用でもう1つ注意することは、治療薬との併用である。
野田勉氏(東大阪大学短期大学部健康栄養学科)によると、フェルにアラニンなどの中性アミノ酸は、パーキンソン病治療薬・レポドバ(L-DOPA)との併用によって振せんや硬直などがおこる可能性を示唆している。

心配なときは、薬剤師や医師と相談してサプリメントの利用の可否を決めるのがよさそうだといえる。

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