2013年5月22日水曜日

筋力は何によって決まるのか

絶対筋力とは、筋断面積当たりの筋力のことである。

猪飼道夫と福永哲夫(1968年)は、超音波法で筋肉の断面積を測定し、(筋力÷筋断面積)によって筋断面積当たりの筋力を求めた。その結果、男女の区別なく、年齢(12歳〜20歳)に関係なく筋断面積当たりの筋力は6kgcmでほぼ一定であることを明らかにした。

猪飼らが明らかにしたことは、筋肉が同じ太さなら発揮される筋力は同じになるということである。

ところが、一般に女性よりも男性の方が筋肉は太いので、筋力は男性の方が大きくなる。

12歳から20歳までの間は筋肉が次第に太くなる時期である。そのために、12歳から20歳まで筋力は増大していく。

このように、筋肉が太いほど筋力は大きくなる。しかし筋肉の太さが同じでも筋力の強い人と弱い人がいる。この違いは、収縮に参加する筋線維の数が影響している。

筋肉は筋線維という細胞が多数集まってできている。筋線維の一本ずつに神経がつながっており、脳からの指令がきた筋線維が収縮して力を発揮する。筋力は、収縮する筋線維の数に比例するのである。収縮する筋線維の数が多いほど、筋力は大きくなる。筋肉が同じ太さでも筋力の強い人は、収縮する筋線維の数が多いのである。逆に、筋肉が同じ太さでも筋力が弱い人は、収縮する筋線維の数が少ないからである。


このようなことから、筋力は筋肉の太さと収縮する筋線維の数で決まることがわかる。

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