野球の投手がボールを投げるとき、胸を大きくそらす姿勢をとる。テニス選手がサーブを打つときも、上半身をうしろにのけぞるように胸をそらす。
投球でもサーブでも、ボールに速度を与えるものの1つは腕の動きである。腕の移動距離が短いと大きなボール速度を生み出すことはできない。ボール速度を速くするには、腕の移動距離を長くすることが必要となる。
腕の移動距離を決定する要因の1つは、肩関節の可動域である。肩関節の可動域が広いほど腕の移動距離は長くなり、ボール速度を速くすることが可能となる。
胸をそらす動作は、肩関節の可動域に影響を及ぼす。胸をそらすと、肩関節の可動域は広くなる。背を丸めると、肩関節の可動域は狭くなる。
投手やテニス選手たちが投球やサーブのときに胸を張るのは、肩関節の可動域を広くして腕の移動距離を長くし、その結果としてボール速度を速くするのである。
ボール速度を速くさせるために腕の振りだけに注目するのではなく、腕の振りに影響している上体のそりにも注目するのがよい。ある部分の動きは別の部分の動きに影響されているのである。
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