2013年1月1日火曜日

プロ野球界は高齢化


スポーツ科学(第3回)

プロ野球界の高齢化

プロ野球界は高齢化である。40歳以上を高齢とすると、トップ選手として活躍している高齢の現役選手(201212月現在)は次のようである。

47歳 山本昌(中日ドラゴンズ)
44歳 山崎武司(中日ドラゴンズ)
44歳 木田優夫(北海道日本ハムファイターズ)
43歳 桧山進次郎(阪神タイガース)
43歳 中嶋聡(北海道日本ハムファイターズ)
42歳 谷繁元信(中日ドラゴンズ)
42歳 宮本慎也(東京ヤクルトスワローズ)
41歳 前田智徳(広島東洋カープ)
40歳 和田一浩(中日ドラゴンズ)
40歳 稲葉篤紀(北海道日本ハムファイターズ)
40歳 西口文也(埼玉西武ライオンズ)

野球の基本の動きは投げる、打つ、走る、守ることである。いずれも、力強くて素早い動きが要求される。こういった動きを生み出すのは「速筋線維」である。

筋肉は数多くの細胞があつまってできている。筋肉をつくっている細胞を「筋線維」とよぶ。筋線維は大きくわけると2種類ある。「速筋線維」と「遅筋線維」である。

速筋線維は、大きな力を瞬間的にだすことができる。一方、遅筋線維は大きな力を発揮することはできないが、力を長く出し続けられる。野球の基本の動きでは、主に速筋線維が働く。

速筋線維は遅筋線維よりも加齢にともなう衰えが早い。30代半ばころから衰えが始まる。40代であっても現役選手として活躍できるのは、筋トレや生活管理などで速筋線維の衰えを防ぐ努力をしているからだといえる。とくに大切なのは筋トレである。

速筋線維の衰えを防ぐに筋トレは、重い負荷で素早く筋肉を収縮させることが必要である。プロ野球の高齢選手たちが活躍している背景には、こういったトレーニングを取り入れていることが考えられる。

ただし、重い負荷で筋肉を素早く収縮させる筋トレは、筋肉などの運動器を傷める危険性が高い。高齢選手たちは、こういった危険性への対応に十分に配慮しているのだろう。

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