2012年6月27日水曜日

かげの独り言

短距離走は長身が有利

身長が高いことが有利であるスポーツ種目は多い。高い空間でプレイすることがたびたび要求されるバスケットボールやバレーボールなどは、長身であることがパフォーマンスに強く影響する。

身長の高さは短距離走能力にも関連している。疾走スピードはストライド長とピッチ数の積で決まる。ストライド長は一歩の長さである。ピッチ数は1秒間の歩数である。ストライド長が長くてピッチ数が多ければ、疾走スピードは速くなる。

ところでピッチ数よりもストライド長の方が選手による差が大きい。現在の男子100m世界記録保持者のウサイン・ボルト選手のストライド長は2m90cmである。かつて世界最速といわれたカール・ルイスのストライド長は2m50cmであった。ピッチ数は両選手ともおよそ5回/秒である。二人の記録差0.26秒はストライド長の差によってもたらされたといえる。

男子100m走の世界記録を樹立してきた選手たちの身長と記録の関係と求めると、正の相関が成り立つことがわかる。身長と100m走記録の重相関係数は0.85であり、100m走記録は身長に強く影響されている。すなわち、100m走は長身が有利であるといえる。

身長は、体重に比べて後天的に増加させることはかなり困難である。10秒を切る日本選手を育てるには、まず長身になる可能性をもつ人を発掘しなければならないのだろう。

0 件のコメント: